こんにちは、nobo(@nobo_kyoto)です。
京都の五条通と七条通のちょうど中間あたりにある「正面通」。
その正面通の東端には、通り名の由来にもなっている「方広寺(ほうこうじ)」という天台宗のお寺があります。
この記事では、かつて境内に巨大な大仏殿があった方広寺で頂ける御朱印を中心に、歴史や梵鐘などついてご紹介いたします。
方広寺(京都)の御朱印について
方広寺では通常3種類の御朱印が頂けます。
3種類の御朱印のうち2種類には、方広寺を創建した豊臣秀吉の家紋でもある「五七の桐」の朱印が中央に押してあります。
- 御朱印の種類:通常3種類
- 御朱印の料金:300円
- 時間:10:00〜16:00(要確認)
①廣福殿の御朱印
中央に大きく「廣福殿」と墨書きされた御朱印です。
- 墨書き
右側:奉拝、日付
中央:廣福殿
左側:方廣寺 - 朱印
右側:廣福殿
中央:五七の桐
左側:方廣寺
②大黒天の御朱印
大黒天の御朱印です。
- 墨書き
右側:奉拝、日付
中央:大黒天
左側:方広寺 - 朱印
右側:廣福殿
中央:大黒天の梵字(マ)
左側:方廣寺
大黒天堂に祀られている大黒天像は伝教大師・最澄作と伝わり、豊臣秀吉の御持仏だったといいます。
③盧舎那佛の御朱印
新しく追加された御本尊「盧舎那佛」の御朱印です。
私が訪れた2021年1月時点では、方広寺オリジナルの御朱印帳を持っている人には直書き、その他の人は書き置きでの授与でした。
- 墨書き
右側:奉拝、日付
中央:盧舎那佛
左側:方広寺 - 朱印
右側:廣福殿
中央:五七の桐
左側:方廣寺
オリジナル御朱印帳と限定御朱印
2021年1月から授与が始まった方広寺のオリジナル御朱印帳です。
梵鐘をイメージした箔押しがステキですね!
御朱印帳は小判サイズで、1冊1200円。数量限定みたいです。
また、京の冬の旅(コロナの影響で延期)期間限定で、クリアファイル付きの梵鐘御朱印が授与されていました。
御朱印が頂ける日と受付時間
以前は基本的にいつでも御朱印が頂けましたが、新型コロナの影響で御朱印の対応をされていない日があります。
方広寺の御朱印対応日と対応時間は、公式Instagramで必ずご確認ください。
https://www.instagram.com/hokojikyoto/
周辺の御朱印情報
https://gosyuin-kyoto.com/toyokuni-cho
方広寺ってどんなお寺?
御本尊
通常非公開である本堂には、江戸期に造られたという盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)が祀られています。
第55回・京の冬の旅で特別公開される予定でしたが、残念ながらコロナの影響で延期になってしまいました。
歴史
天正14年(1586)、豊臣秀吉公は奈良の東大寺にならって、大仏殿の建立を発願。
これが方広寺の起こりとなります。
明治以前は広大な寺領がありましたが、明治政府の方針により寺領のほとんどが没収され、現在の規模になっています。
不運続きだった大仏
豊臣秀吉の発願から9年後の文禄4年(1595)、大仏殿が完成し、東大寺の大仏より大きな大仏(約19m)が安置されます。
しかし、翌年に発生した伏見大地震により、大仏は倒壊。
その後、亡くなった秀吉の遺志を継いだ秀頼によって、大仏の復興が進められますが、慶長7年(1602)、鋳造中の大仏から出火し、大仏殿及び大仏は焼失してしまいます。
秀頼は再び大仏の復興に着手し、慶長17年(1612)に無事完成しましたが、寛文2年(1662)に発生した地震で崩壊。
寛文7年(1667)に木像で再興されるも、寛政10年(1798)に落雷で焼失します。
その後、天保年中(1830〜44)に尾張国から半身木仏が運ばれ安置されますが、昭和48年(1973)に失火により再び焼失。
昭和の焼失後は再興されることなく現在に至ります。
不運続きの方広寺の大仏・・・。一度生で見てみたかったです。
豊臣家滅亡を招いた梵鐘
方広寺の梵鐘は、慶長19年(1612)、秀頼による大仏復興の際に造られたもので、東大寺・知恩院と並び「日本三大梵鐘」の一つに数えられています。
実はこの梵鐘、豊臣家滅亡を招いたあの梵鐘なんです。
梵鐘をよく見てみると、「君臣豊楽」「国家安康」という銘文が刻まれていることがわかります。
この8文字の銘文を見つけた徳川家康は、「家康」の名が切り離されているとして激怒。
これが大阪冬の陣のきっかけとなり、豊臣家滅亡の原因にもなります。
歴史で習った「方広寺鐘銘事件」を生で見れて感動です!
ちなみに、明治3年(1870)の政府による寺領没収の際、鐘楼(鐘を吊す建物)は取り壊され、明治17年(1884)に再建されるまで野ざらしの状態になっていました。
方広寺へのアクセス
- 京都市営バス「博物館三十三間堂前」から徒歩約6分
- 京阪本線「七条駅」から徒歩約
方広寺の基本情報
御朱印の種類 | 通常の3種類 |
御朱印の料金 | 300円 |
時間 | 10:00〜16:00(要確認) |
御本尊 | 盧舎那仏坐像 |
宗旨 | 天台宗 |
住所 | 京都市東山区正面通大和大路東入茶屋町527 |
公式Instagram | @hokojikyoto |
参考文献
- 京都大事典 著者:佐和隆研 1984
- 京都大知典 編集発行:JTBパブリッシング 2010
- 京都古社寺辞典 著者:吉川弘文館編集部 2010
- 京都・山城寺院神社大事典 著者:平凡社 1997