こんにちは、nobo(@nobo_kyoto)です。
この記事では、京都市内にある4つの五重塔について、歴史や内部の様子などについて詳しくご紹介いたします!
京都の五重塔①:醍醐寺
まずは、伏見区の真言宗醍醐派総本山「醍醐寺」にある五重塔(国宝)。
京都府内で最も古い木造建築物で、塔の高さは38メートル。
塔上部の金属部分(相輪)だけで約13メートルもあります。
歴史
第60代・醍醐天皇の冥福を祈るため、第三皇子の代明親王が建立を発願。
承平6年(936)、第61代・朱雀天皇が工事に着手し、天暦5年(951)に完成したと伝えられています。
室町時代に起こった応仁の乱では、醍醐寺の伽藍のほとんどが燃えましたが、五重塔は奇跡的に焼失を回避。
その後は地震や台風の被害を受けたものの、何度も修復工事が行われ、建立から1000年経った現在でも立派な姿を保っています。
内部
初層の内部には、両界曼荼羅や真言八祖像などの貴重な平安絵画が残されています。
塔の内部は通常非公開とされていますが、毎月29日に行われる「五重大塔開扉 納経法要」では、扉の外から内部を見ることが可能です。
基本情報
分類 | 国宝 |
---|---|
建立年 | 天暦5年(951) |
高さ | 38メートル |
公開 | 通常非公開(毎月29日は扉の外から拝観可能) |
公式HP | https://www.daigoji.or.jp/ |
京都の五重塔②:東寺
次は、南区の東寺真言宗総本山「東寺」にある五重塔(国宝)。
塔の高さは54.8メートルで、日本で最も高い木造塔とされています。
歴史
天長3年(826)、弘法大師・空海が金堂の次に着手した建物で、約50年後の元慶年間(877-85)に完成しました。
その後は焼失と再建を繰り返しており、現在の五重塔は、寛永21年(1644)に江戸幕府3代将軍・徳川家光によって建立された5代目になります。
内部
塔の中心にある「心柱」を真言密教の本尊・大日如来と見立て、周りには4体の如来像と8体の菩薩像を安置。
初層の柱や壁には、金剛界曼荼羅・真言八祖像・八大龍王などが極彩色で描かれています。
内部は通常非公開となっていますが、京の冬の旅などで定期的に公開されているので、見るチャンスは結構あります。
基本情報
分類 | 国宝 |
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建立年 | 寛永21年(1644) ※5代目 |
高さ | 54.8メートル |
公開 | 通常非公開(定期的に公開) |
公式HP | https://toji.or.jp/ |
京都の五重塔③:法観寺
続いて、東山区にある臨済宗建仁寺派「法観寺」にある五重塔(重要文化財)。
一般的に「八坂の塔」と呼ばれ、東山一帯のランドマークになっている塔です。
高さは46メートルで、日本で3番目に高い五重塔とされています。
歴史
崇峻天皇5年(592)、聖徳太子が夢の中で「如意輪観音」からお告げを受け、この地に五重塔を建立。
その塔内に「仏舎利(お釈迦様の骨)」を納めたと伝えられています。
※創建年は諸説あり
戦火などで焼失と再建を繰り返し、現在の五重塔は、永享12年(1440)に建てられた4代目のものになります。
内部
初層には、心柱(大日如来)を中心とした「五智如来」が安置され、壁には色鮮やかな仏画などが描かれています。
法観寺の五重塔は常時公開(不定休)されており、塔内は撮影OKとなっています。
しかも…なんと二層まで登ることできるんです!
二層には透明のガラスがはめ込まれ、八坂通りなどを眺めることが可能。
これほどしっかり拝観できる五重塔はあまり無いので、ぜひ訪れてほしいです!
基本情報
分類 | 重要文化財 |
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建立年 | 永享12年(1440) ※4代目 |
高さ | 46メートル |
公開 | 常時公開(不定休) |
公式HP | なし |
京都の五重塔④:仁和寺
最後は、真言宗御室派総本山「仁和寺」にある五重塔(重要文化財)。
高さは36.18メートルで、拝観料なしで近くから見ることが可能です。
歴史
東寺の五重塔と同じ寛永21年(1644)に建立されたとされています。
※年代は諸説あり
「五重塔の代表作」とも呼ばれ、時代劇によく出てくる五重塔として有名です。
内部
初層内部の中央に大日如来、その周りに四方仏を安置。
柱や壁には、真言八祖像・仏画などが色鮮やかに描かれています。
内部は通常非公開ですが、京の冬の旅などで公開されることがあります。
基本情報
分類 | 重要文化財 |
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建立年 | 寛永21年(1644) ※諸説あり |
高さ | 36.18メートル |
公開 | 通常非公開(京の冬の旅などで公開) |
公式HP | https://ninnaji.jp/ |