こんにちは、nobo(@nobo_kyoto)です。
みんさんは、京都の「都七福神(みやこしちふくじん)」をご存知でしょうか?
今や全国各地で行われている七福神巡りですが、都七福神はその中で最も古い歴史を持っているのです。
そんな「日本最古」の都七福神について、計4回満願している私が、歴史から集印用台紙、各社寺の概要まで、圧倒的情報量でご紹介します。
少しでもお役に立てれば幸いです!
都七福神とは?
概要
都七福神は、七福神を祀る「京都府内の7社寺(1社6寺)」を巡礼する行事です。
巡礼の順番については、特に決まりはありません。
7社寺のうち、布袋尊を祀る萬福寺のみが宇治市にあり、その他は全て京都市内にあります。
御朱印 | 寺社名 | 神様 | 宗旨 | 所在地 |
---|---|---|---|---|
京都ゑびす神社 | ゑびす神 | 神道 | 東山区 | |
妙円寺 | 大黒天 | 日蓮宗 | 左京区 | |
東寺 | 毘沙門天 | 東寺真言宗 | 南区 | |
六波羅蜜寺 | 弁財天 | 真言宗智山派 | 東山区 | |
赤山禅院 | 福禄寿神 | 天台宗 | 左京区 | |
行願寺(革堂) | 寿老神 | 天台宗 | 中京区 | |
萬福寺 | 布袋尊 | 黄檗宗 | 宇治市 |
7社寺の場所については、こちらの地図をご覧ください。
歴史
七福神巡りは室町時代の京都で起こったとされ、室町時代の「大乗院寺社雑事記」や江戸前期の「梅津長者物語」にも記されています。
京都の庶民の間で流行し、次第に全国各地に広がっていきました。
「京都七福神」「京の七福神」「京楽七福神」など、京都には複数の七福神巡りがありますが、「都七福神」はその中でも最も古い歴史があり、「日本最古の七福神巡り」と称されています。
なお、現在の7社寺は、昭和54年(1979)に構成されたものになります。
開催期間
期間は特に決まってなく、基本的に1年中いつでも巡礼可能です。
毎年「1月1日〜31日」の間に巡礼すると、「七難即滅・七福即生」極まりなしといわれ、特に福がもたらされるといいます。
巡礼するなら1月中がオススメです!
また、「七福神の縁日」である毎月7日に巡礼するのも良いとされています。
なお、1月中は観光バスが出ているので、利用すると楽に回れるのでオススメですよ!
都七福神の色紙や御朱印帳などについて
都七福神は、7社寺を巡拝するだけでも良いのですが、やはり御朱印(御宝印)を集めるのが醍醐味です。
御宝印を集めるための台紙は、基本的に「色紙(大護符)、御朱印帳(御宝印帳)、集印軸」が用意されており、各社寺で授与されています。
色紙と御朱印帳はどの社寺にも置いてありますが、集印軸はあるところと無いところがあります。
なお、集印用の台紙は、各社寺で授与されているもの以外でも構いません。
いつも使っている御朱印帳に集めてもいいですし、市販の物を使用しても大丈夫です。
聞いた話だと、最近は自作の台紙を使用されている方も多いんだとか。
私もいつか自分で作ってみたいなぁと思っています。
ここからは、色紙と御朱印帳、そして「幻の扇子」について詳しくご紹介いたします。
色紙
集印用台紙の中で、一番人気なのが色紙です。
特に1月中は、この大きな色紙を持った人をよく見かけます。
色紙のデザインやサイズは、各社寺によって違います。
また、全ての社寺で、7体の御朱印が書き入れられている「完成色紙」が授与されています。
一部社寺では、額縁入りの色紙も授与されています。
家に飾りたい方にオススメですよ〜。
色紙で七福神巡りをしようと思っている方は、下記の2点にお気をつけください。
- 御朱印はしっかり乾かす
- 色紙の扱いは丁寧に
注意点①:御朱印はしっかり乾かして!
色紙は基本的に乾きにくい素材になっています(特に金色)。
そのため、御朱印が乾いていない状態で袋に入れると、せっかくの御朱印が画像のように汚くなってしまいます。
御朱印を頂いた後は、各社寺の朱印所近くに用意されている「ドライヤー」で乾かすことを強くオススメします。
割としっかり目にしたほうがいいです。
注意点②:色紙の扱いは丁寧に!
色紙は四隅がボコボコになりがちです。
色紙自体が悪いわけではなく、度重なる移動を行ってるうちに、いつの間にか潰れてしまいます。
結構デリケートなものなので、特に公共交通機関を利用して回る方は扱いにお気をつけください。
気を抜くと画像のようになります。
四隅に何かカバーを着けておくのもありかもしれませんね。
御朱印帳
こちらが都七福神の専用御朱印帳です。
各社寺では、「御宝印帳」として授与されています。
大きさは一般的な大判サイズと同じくらい。
表紙の「都七福神まいり」の部分は、金色の箔押しになっています。
裏面は無地。
御朱印帳の中は、右側が七福神のイラスト、左側が御朱印を書いてもらうページとなっています。
イラストと御朱印が合わさるとカッコイイですよね!
七福神のページの後ろは、白紙が14ページ続きます。
使わないのはちょっともったいないので、普通に御朱印帳として使うのが良いと思います。
七福帳
こちらは妙円寺のみで授与されている「七福帳」。
縦にパラパラとめくる方式で、このような感じで御朱印が頂けます。
ちなみに、ちょっと乾きが悪いようなので、こちらもドライヤーでしっかりと乾かすことをオススメします。
幻の扇子
都七福神には、「扇子(末廣)」の台紙も”ありました”。
なぜ過去形なのかというと、現在は授与されていないからです。
授与終了の詳しい時期についてはわかりませんが、お寺の方から聞いた話によれば、2020年初め頃に無くなったようです。
原因は、製造メーカーさんの撤退だそうです。
品質がとてもよく、飾りやすかったので非常に残念です。
新たなメーカーさんが現れてくれればいいのですが、なかなか厳しいでしょうか…。
無理かもしれませんが、復活を待ち望みたいと思います。
※2022年1月も復活なし。
都七福神の7社寺と御朱印を紹介!
ここからは、都七福神の7社寺の歴史や信仰、御朱印などについてご紹介です。
なお、紹介順は専用御朱印帳と同じ順番で掲載しています。
ゑびす神:京都ゑびす神社
まずは、都七福神で唯一の神社である「京都ゑびす神社」。
「京のえべっさん」として親しまれており、大阪・今宮戎神社、兵庫・西宮神社と並んで「日本三大えびす」の一つに数えられています。
鎌倉時代の建仁2年(1202)に、建仁寺を守る神社(鎮守社)として創建されたのが始まりで、現在は主に「商売繁盛」の信仰を集めています。
毎年1月8〜12日に行われる「十日ゑびす大祭」には多くの人が訪れ、ゑびす神社周辺は多くの人で賑わいます。
御朱印
少々かすれていますが、御朱印の中央には、ゑびす神が持っていることでおなじみの「鯛」の朱印が押してあります。
右の御朱印の鯛が一番わかりやすいですね〜。
とってもありがたい感じのする朱印です。
アクセスと基本情報
- 京阪本線「祇園四条駅」から徒歩約7分
- 京都市営バス「河原町松原」から徒歩約6分
- 京都市営バス「清水道」から徒歩約8分
御朱印の種類 | 通常1種類 |
御朱印の朱印料 | 300円 |
時間 | 9:00〜16:30 |
御祭神 | 八重事代主大神、大国主大神、少彦名神 |
住所 | 京都市東山区大和大路通四条下ル小松町125 |
公式HP | http://www.kyoto-ebisu.jp/index.html |
大黒天:妙円寺
続いて、松ヶ崎にある日蓮宗のお寺「妙円寺」。
一般的に「松ヶ崎大黒天」や「松ヶ崎の大黒さん」などと呼ばれ親しまれています。
元和2年(1616)に、本涌寺・日英上人の隠居所として創建されたのが始まりで、主に「開運招福」の信仰を集めています。
大黒堂に安置されている大黒天は、「伝教大師・最澄が作り、日蓮聖人が開眼した」と伝えられている仏像。
以前は100体の大黒天画像を安置していたそうですが、火災によってお堂共々焼失しており、残念ながら現存していません。
御朱印
打ち出の小槌の朱印が可愛いですね。
「大」と「天」の字がとてものびのびしていてステキです。
アクセスと基本情報
- 京都市営バス「松ヶ崎大黒天」から徒歩4分
- 京都地下鉄烏丸線「松ヶ崎駅」から徒歩約17分
御朱印の種類 | 通常3種類 |
御朱印の料金 | 通常300円 |
御朱印の時間 | 9:00〜17:00 |
宗旨 | 日蓮宗 |
拝観料 | 境内自由 |
住所 | 京都市左京区松ヶ崎東町31 |
公式HP | http://matugasaki-daikokuten.net/ |
毘沙門天:東寺
次は、大人気のお寺である世界遺産「東寺」。
正式名称は「教王護国寺」というのですが、難しいので一般的には普通に「東寺」と呼ばれています。
延暦13年(794)の平安遷都が行われた際、王城鎮護のために創建されたのが始まり。
弘仁14年(823)、弘法大師・空海は、時の天皇である第52代・嵯峨天皇に東寺を与えられ、真言密教の道場としました。
東寺で有名な毘沙門天といえば、国宝に指定されている「兜跋毘沙門天」。
古くは平安京の入り口「羅城門」に安置されていたもので、毘沙門天堂は兜跋毘沙門天を祀るために建立されたお堂です。
現在、兜跋毘沙門天は宝物館に移されており、堂内には別の毘沙門天が安置されています。
御朱印
毘沙門天が左手に持っている「宝塔」の朱印が押してあります。
東寺の御朱印は、文字がしなやかなので大好きです。
ちなみに、普通の御朱印帳に「毘沙門天の御朱印」を頂くと、中央上に梵字の墨書きが追加されます。
御朱印は、境内にある「食堂」内で頂けます。
拝観料は不要です。
アクセスと基本情報
- 京都市営バス「東寺東門前」から徒歩すぐ
- 京都市営バス「東寺西門前」から徒歩すぐ
- 京都市営バス「東寺南門前」から徒歩約3分
- 京都市営バス「東寺道」から徒歩約7分
- 近鉄京都線「東寺駅」から徒歩約5分
- JR「京都駅」から約15分
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御朱印の種類 | 通常9種類 |
御朱印の値段 | 300円 |
時間 | 8:30〜16:30 |
御朱印帳の種類 | 5種類 |
授与所の場所 | 食堂 |
札所等 | 真言宗十八本山第9番、神仏霊場巡拝の道第84番(京都第4番)、洛陽三十三所観音霊場第23番、京都十二薬師霊場第2番、西国愛染十七霊場第8番、都七福神、京都三弘法 |
御本尊 | 薬師如来 |
宗旨 | 東寺真言宗(総本山) |
拝観料 | 境内自由 (講堂・金堂は有料) |
東寺周辺のホテル | 楽天トラベル |
東寺の関連商品 | Amazon / 楽天市場 |
住所 | 京都市南区九条町1 |
公式HP | https://toji.or.jp/ |
弁財天:六波羅蜜寺
続いて、観音霊場としても有名な「六波羅蜜寺」。
日本最古の霊場巡りである「西国三十三所」の第17番札所でもあります。
天暦5年(951)、踊り念仏で有名な「空也上人」によって創建され、御本尊の十一面千手観音は空也上人作と伝わり、現在は「国宝」に指定されています。
弁財天堂に安置されている「六波羅弁財天」は、崇徳天皇(第75代)の夢告により、曹洞宗の僧・禅海が造立したものと伝えられています。
崇徳天皇が讃岐に流されると、寵愛されていた阿波内侍は、屋敷をお寺に改め、弁財天を安置。
明治初期、廃仏毀釈によってこのお寺は廃寺となり、弁財天は六波羅蜜寺に移されたといいます。
御朱印
御朱印には、弁財天が持っていることでおなじみの「琵琶(びわ)」の朱印が押されています。
よく見たら、琵琶の中央に、弁財天の梵字「ソ」が入っていますね。
アクセスと基本情報
- 京都市営バス「清水道」から徒歩約8分
- 京阪電気鉄道「清水五条駅」から徒歩約8分
- 阪急電鉄「河原町駅」から徒歩約14分
御朱印の種類 | 通常7種類 |
御朱印の朱印料 | 通常300円 |
時間 | 8:00〜17:00 |
御本尊 | 十一面観音立像 |
宗旨 | 真言宗智山派 |
山号 | 普陀落山 |
住所 | 京都市東山区五条通大和大路上ル東 |
公式HP | http://rokuhara.or.jp |
福禄寿神:赤山禅院
次は、比叡山延暦寺の塔頭寺院である「赤山禅院」。
平安京の表鬼門に当たる場所にあることから、古くより王城鎮守・方除けの神として信仰を集めています。
仁和4年(888)、円仁(慈覚大師)が唐に渡った際に発願した「赤山禅院建立」の遺志を継ぎ、第四世天台座主・安慧(あんね)が赤山大明神を勧請して祀ったのが始まりです。
赤山大明神とは、泰山府君(たいざんふくん)のことで、中国五岳の筆頭・東岳(泰山)の山神です。
福禄寿は、朱印所近くの福禄寿殿に安置されています。
お堂近くにズラリと並んでいる福禄寿さんも見どころです。
御朱印
御朱印の中央に押してある朱印のモチーフは、「鶴」でしょうか?
来年の都七福神の際に詳しく聞いてみたいと思います。
アクセスと基本情報
- 京都市営バス「修学院離宮道」から徒歩約16分
御朱印の種類 | 通常3種類 |
御朱印の料金 | 通常300円 |
御朱印の時間 | 9:00〜16:30 |
宗旨 | 天台宗 |
拝観料 | 境内自由 |
住所 | 京都市左京区修学院開根坊町18 |
公式HP | http://www.sekizanzenin.com/ |
寿老神:革堂(行願寺)
続いて、六波羅蜜寺と同じく西国札所である「革堂」。
正式名称は「行願寺」といいますが、一般的には革堂と呼ばれています。
寛弘元年(1004)、行円上人が一条小川にあった一条北辺堂を復興させ、行願寺と名付けたのが始まりとされています。
革堂という名称は、「上人が妊娠中の雌鹿を射て改心し仏門に入った」という逸話から来ており、死んだ雌鹿の革を常に身につけていた上人は、人々から「皮聖」「皮聖人」などと呼ばれていたそうです。
寿老神堂に安置されている寿老神像は、安土桃山時代の作といわれ、豊臣秀吉公が万人快楽のために奉納したと伝えられています。
御朱印
寿老神の朱印のモチーフは恐らく「巻物」ですね。
左下の墨書き・朱印が、どちらも「革堂」になっているのもポイント。
アクセスと基本情報
- 京阪鴨東線「神宮丸太町駅」から徒歩約6分
- 京都市営バス「河原町丸太町」から徒歩約5分
御朱印の種類 | 通常5種類 |
御朱印の料金 | 通常300円 |
御朱印の時間 | 8:00〜17:00 |
御本尊 | 千手観音 |
宗旨 | 天台宗延暦寺派 |
札所等 | 西国三十三所第19番や洛陽三十三所観音霊場第4番、神仏霊場巡拝の道第114番 |
拝観料 | 基本自由 |
住所 | 京都市中京区行願寺門前町17 |
公式HP | https://kaudau.jp/ |
布袋尊:萬福寺
最後は、唯一京都市外にある「萬福寺」。
黄檗宗という宗派の大本山になっているお寺です。
江戸時代初期の寛文元年(1661)、中国の僧侶である「隠元隆琦いんげんりゅうき」によって創建されたお寺で、寺名は中国の萬福寺に倣って名付けられました。
境内のお堂は中国風になっていて、他のお寺とは違う雰囲気です。
布袋尊は弥勒菩薩の化身とされており、天王殿内に安置されています。
この穏やかな笑顔を見ていると、幸せな気持ちになってきますね。
萬福寺の拝観には、拝観料が必要です。
※なお、毎月8日(2月と8月は除く)は無料。
御朱印
布袋尊の御朱印には、扇の朱印が押してあります。
「尊」のクルクル感が結構お気に入り。
アクセスと基本情報
- JR奈良線「黄檗駅」から徒歩約3分
- 京阪宇治線「黄檗駅」から徒歩約5分
御朱印の種類 | 通常5種類 |
御朱印の朱印料 | 300円 |
御朱印の時間 | 9:00〜16:30 |
拝観料 | 大人・高校生:500円(団体450円) 中学生:300円(団体250円) 小学生:300円(団体250円) ※団体は30名以上 毎月8日は無料(2月と8月を除く)。 |
御本尊 | 釈迦如来坐像 |
宗旨 | 黄檗宗 |
山号 | 黄檗山 |
住所 | 宇治市五ケ庄三番割34 |
公式HP | https://www.obakusan.or.jp/ |
都七福神まとめ
以上、都七福神の紹介でした。
みなさんも都七福神を巡礼して、いい1年のスタートを切ってくださいね!
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